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秋晴れの平日、恵比寿にあるGALERIE Malleに、イラストレーターのなかがわみさこさんを訪ねました。

今年で6回目となる「素敵に食卓 日本酒ラベル展 東日本大震災復興支援チャリティ」(2016年11月1日〜11月6日)が開かれているGALERIE Malleにお邪魔しました。

多摩美術大学ではインテリア・デザインを学んでいた、なかがわさんが、
どのようなきっかけでイラストレーターになったのか?
いつもどのように制作をしているのか?
アイデアの出し方や迷った時、どのようにしているの?
なくてはならないお気に入りの文具は?
と、お話を伺ってきました。

イラストレーターのなかがわみさこさんとインタビューするCカンパニーワタナベアケミは友だち同志。友だちならではのトークをお楽しみください。

では、まず、イラストレーターになったきっかけを教えてください。

お子さんができてから絵画教室の先生をしていましたよね。
教室がきっかけですか?


GALERIE Malle

スケッチ
なかがわみさこ

なかがわ きっかけはエアロビクスです。

えっ?エアロビクスですか?!

なかがわ はい。

絵画教室をやっていた頃、趣味でエアロビクスにハマっていたんです。

そのスタジオに、あこがれの雑誌の取材があって、
担当者に「イラストレーターになりたいんです」といって、小さなカットの仕事をもらって。

出来上がった仕事を持って、別の雑誌社に行って、見開き数ページの仕事をもらって。

エアロビクスで知り合った大手印刷会社の方の紹介で大手出版社から仕事をもらって・・・。

なんだか藁しべ長者みたいですよね。長者じゃないけど(笑)

すごいバイタリティーですね!
なりたい気持ちの強さと勇気がないとなかなかできないことです。すごいなあ〜。

なかがわさんの作品、以前はパソコンで描いた絵が多かったですが、
最近手描きのイラストが多いように感じます。

手描きに取り組むきっかけはどのようなことだったのでしょうか?

なかがわ うーん。なんだったかしら?

なかがわさんのサイトをざっと確認した限りでは、お坊さんの墨絵を書き出した頃からかな?と思ったのですが・・・。

なかがわ あっ、そう!そうかも?!そうだわ。
デザイナーさんから「炭でお坊さんを描いてください」とリクエストがあったんです。
墨絵もお坊さんも描いた事はなかったけれど、「わたし描けません」とは言わない人だから
「はい。描けます」と言って、引き受けたんです。(笑)

このお坊さんの絵は、京都にある東寺を世界遺産でプレゼンテーションするための動画に使用するイラストでした。
依頼をいただいてから、何度も何度も炭でお坊さんを描きました。

で、描いてみたら、自分は手描きが好きだということがわかったの。
パソコンで書く絵は、イラストレーターというソフトで、マウスを使ってベジェ曲線で描いていくのだけれど、とても時間が掛かるんです。

でも、手描きだと、思いのままに線を描けるし、作業も早かった。
『手描き、いいじゃん』と思ったのはその頃からですね。
なかがわみさこillustrationより

そのお坊さんの絵はどうなったのですか?

なかがわ コンペティションだったのですが、私が描いた墨絵のお坊さんが得ればれて、ユネスコの東寺『百合文書』のプレゼンテーションの動画に採用されました。お坊さんを動かすためのパーツの書き足しをしたりして面白かったですよ。

東寺は空海が運営したお寺で、唯一残る平安京の遺構です。
ここに大切に保管されてる国宝で、すべての出来事を記入した『百合文書』という書物があり、この『百合文書』をテーマにお坊さんを描きました。

2015年、『百合文書』はユネスコ世界記憶遺産に認定されました。
私も良い経験をさせていただきました。

それは素晴らしいですね。東寺、行ってみたくなりました。
デザイナーから依頼を受けて描きはじめるとのことですが、デザイナーからの依頼を受けたあと、
どのように描こうとか、アイデアを出すとき、アウトプットはどうしているのでしょうか?

なかがわ 挿絵など、パソコンで制作する場合は、いきなり描く事もあります。
でも、大概は、コピー用紙など手元にある紙に描きますね。

といって、ご持参くださったアイデア・メモを広げ始めるなかがわさん。


なかがわ これなんか100人の田中角栄を描いたのよ〜(笑)

世間のイメージではなく、尊敬される田中角栄を描くようにと言われたけれど
自分のなかの田中角栄のイメージが出来すぎていて、デザイナーの意図に合わない。

デッサン風に描いてみたり、マスコット風に描いてみたり、結局、気がついたら、
100人の田中角栄を描いていたんです。

ニーチャや福沢諭吉は一発で描けたんだんですけどね(笑)

100人?!『100人の田中角栄』という本が出せそうな、すごい量ですね。

なかなか乗らないというか、描いていて悩んだ時は、どうしていますか?

なかがわ いったんやめる。(笑)
時間や日を開けて、頭を冷やして、改めて描き始めます。

最近、美術館へよく行かれていますが、それは悩みを脱するため?

なかがわ 美術館へはできるだけ行きたいと思っています。

美術館は「刺激を求めて」と言う感じですが、それもあるのかな。
何となく考えていると、自然と引き寄せられる気がします。

今年、岡山へ行った時、染色家の芹沢_介が外装デザインした赤い倉
を見て「芹沢先生、すごく良いな」と感動しました。

それから程なくして、芹沢_介美術館へ行かないか?とお誘いがあり
そんな美術館があることすら知らなかったけれど
すぐに行くと決めたんです。

芹沢_介美術館でマッチ箱のデザインをみて
「ああ、こんな小さなモノにも、こんなに力を込めて描くのだな」
なんか、心の中で求めていた答えみたいなものがすうっと入って来たんですよね。


今回の日本酒ラベル展の絵も、とても細かいですね。

原画は手描きですか?

どんな想いで描いたのでしょうか?

なかがわ はい、すべて手描きです。

日本に古くから伝わる「縁起」という考え方に、このところ興味があり、
縁起物を作品づくりのテーマに選ぶことが多くなりました。

瓢箪は末広がりの形から古くから「縁起の良いものとされ
幸福や成功のチャンスが巡ってくる」と言われているようです。

瓢箪が6つ揃うと「六瓢息災」。無病息災を願いながら心を込めて描きました。

同じ大きさに見える点でも、微妙に形が違う。手描きっていいですね。
このお酒を飲むと縁起がよくなるというのも素敵♪

なかがわ そうそう、このラベル展のファースト・アイデアは、
システム手帳に描いていますよ。

えっ?!それは嬉しい。見せていただけますか?


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